マドレーヌ フィナンシェ 違い 歴史 由来

マドレーヌとフィナンシェの違いや由来をパウンドケーキ専門店が解説


マシュマロのお菓子言葉は

あなたのことが嫌い

でおなじみパウンドケーキ屋店主です。

いやー

驚きましたね

知らない間にしれっと渡されている可能性ありますよね

昔を思い返してみると

もしかしたら一度や二度

そんなことがあったかもしれません

そして今日は

それを考えないようにして

あえてモヤモヤしながら過ごすことにします

マシュマロだけにね。

って

一瞬でも考えてくれたお客様

ここだけの話

マシュマロとは

一切

何もかかっていないので

気にしないでいきましょう

というか

すみませんでした。

そして本日にこれを書こうと思ったきっかけですが

友人のひとりが私に

マドレーヌとフィナンシェの違いって何なの?

と質問してきたことがきっかけでして

ちなみにこちら

【パウンドケーキの歴史と由来】
https://mipoundtokyo.com/poundcakeblog/2010/

これも人に訊かれてから書かせていただいたものでございます

余力がございましたらついでにご拝見下さいませ。

では参ります

そう

あれは灰色の雲達が今にも泣き出しそうな午前11時頃でした・・

【マドレーヌの名前の由来は?】

マドレーヌ フィナンシェ 違い フランス 由来
マドレーヌ フィナンシェ 違い フランス 由来

まずは

マドレーヌ(madeleine)

貝殻の形でおなじみのフランスのお菓子ですね

こういった昔からあるものには

決まって様々な説が存在します。

前回に書いた

【エプロンの歴史や種類】
https://mipoundtokyo.com/poundcakeblog/5656/

これなんて

エプロンなのにエジプトが起源説ありましたものね

ですが

マドレーヌにはさすがのエジプトも絡んでいないようです

安心しました。

マドレーヌの名前の由来

まず一番有力な説はこれです

1755年

スタニスラス・レクチンスキー公
(ポーランド・リトアニア共和国の国王で後にフランス王ルイ15世の妃マリー・レクザンスカの父)

彼がローレヌ地方コメルシー(フランス)でパーティーを開いたとき

雇っていた菓子職人達が仲間内で喧嘩をしてしまったようです。

そしてなんとメインパティシエがキッチンから出て行ってしまいました。

「お前の作ったお菓子には心がこもってねーんだよ」

「じゃああんたが作って見せろや」

「ああ?お前の持ち場だろうが」

「うっせーわ!そもそもオレ本当はラグビー選手になりたかったんだよ」

と言ったかどうかは不明ですが

とにかく急にメインパティシエがいなくなり

困った主催のレクチンスキー公

残っていたスタッフの中に

メイドのマドレーヌ・ポルミエさんがいて

なぜかレクチンスキー公

彼女に何かお菓子を作るように命令しました

人を選ぶセンス抜群です。

すると彼女はありあわせの材料で

自分のおばあちゃんから教わったお菓子を作ろうと考え

そこに軽くオリジナリティを加えるため

貝殻型を使ってマドレーヌ(名前はこの時点ではまだない)を作ります

するとそれを食べたレクチンスキー公一同は大絶賛して

そのお菓子に彼女の名前

マドレーヌとつけたそうです。

その後

レクチンスキー公は

ルイ15世の元に嫁ぎヴェルサイユ宮殿で暮らす娘の

マリー・レクチンスカ王妃にこのマドレーヌを送り

それからこのマドレーヌはパリ中に広まり人気を集め

レシピは門外不出とされていましたが

コメルシーのある菓子職人がかなりの高値で買い取ったとのことです。

だから貝殻型のあれはマドレーヌ・ド・コメルシーと呼ばれていると。

しかし

当時のパティシエがそんなに稼いでいますかね?

ここまで細かい情報があるから一番有力な説となっているのでしょうか?

こういったものって

例えば

実は事実とは大きく違っていたりして

本当の由来を知る人達がこれらを聞いたら

どんな事を思うのだろうと

考えてしまいます。

もしかしたら真実は

喧嘩して出て行ったパティシエの名前の方かもしれませんしね。

他にも

・サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼のために
巡礼者がホタテガイの貝殻を携帯用の食器として持ち歩いた風習からきている説

・ジャン・アヴィスというパティシエがカトルカール生地を小さめのかわいい型を使用して焼き上げて
そのお菓子が小さくて可愛い形だったためマドレーヌと名付けた説

更にいくつか別の説も存在するのですが

まあいずれにせよ

マドレーヌはある女性の名前から付けられたという説が多いので

それは本当っぽい気がしなくもないです。

【日本に初めて来たお菓子はパン・ド・ジェンヌ?】

マドレーヌ フィナンシェ 違い パン・ド・ジェンヌ pain de Gênes
マドレーヌ フィナンシェ 違い パン・ド・ジェンヌ pain de Gênes

世界的にマドレーヌはやや縦長の整った貝殻の形ですが

日本では円形のマドレーヌもよくあります。

この理由は

フランスからマドレーヌが日本に伝わった時

焼き型を貝殻の形と円型のものとを混同してしまったことから

今もその名残が継続しているとされています。

円型のお菓子は

本来はフランスの

パン・ド・ジェンヌ(pain de Gênes)

というお菓子みたいで

この円形のパン・ド・ジェンヌが

日本でマドレーヌとして定着してしまったという説もあります。

当時の日本ではこの形でマドレーヌを焼いていたようですが

今では日本でも本来の形

すなわち本当のマドレーヌの貝型が主流になっていますよね

情報って大事ですね。

ちなみにマドレーヌのレシピですが

蜂蜜を使用するのもおすすめです。

フランスの有名なお菓子

マドレーヌ

【あなたともっと深い関係になりたい】

なんて意味もあるみたいですが

スタニスラス・レクチンスキー公のパーティーの時の話が本当ならば

マドレーヌを渡す際の意味は

・二度と戻ってくるな

・あなたがここにいて本当に助かりました

などの方がしっくりくるなと

パウンドケーキ屋店主は密かに思うのでした。

【フィナンシェの由来は金融?ヴィジタンディン?】

マドレーヌ フィナンシェ 違い 金融 フランス
マドレーヌ フィナンシェ 違い 金融 フランス

フィナンシェ(Financier)

薄い長方形で焦がしバターの風味が特徴のフランス菓子。

バターの焦がし加減で全く違ったものになります。

フィナンシェの由来はと言いますと

1890年頃に

パリ証券取引所を取り巻く金融街にあるパティスリーで誕生したといわれているお菓子

ですが

もう少し前の1835年

ラ・フィナンシエール(la financière)というお菓子が

ブルターニュ地方のレンヌにすでにあったようです。

ラ・フィナンシエールは現在のフィナンシェに少しだけ似ていて

マドレーヌの由来にも出てきたパン・ド・ジェンヌ(pain de Gênes)の型に入れて焼き

お砂糖などでコーティング(グラサージュ)していたようで

このお菓子は当時のブルターニュ地方では大流行していました。

1890年頃

パリでも同じようなお菓子が売られていました。

パリのサンドニ通り(Rue saint-Denis)にある

ラスネ (Lasnes)というパティシエによって作られた説です。

この説が有名なものですね。

ラスネのパティスリーはパリの証券取引所のブアス(Bourse)地区で開店したので

フィナンシェ(financier)はフランス語で

「金融家」「お金持ち」を意味する言葉

金融街で働く方々にとって縁起の良い金塊・金の延べ棒をイメージしたそうで

それを金融資本家という意味のフィナンシェ Financier と名付けました。

当時でいえば

材料の配合もかなりリッチだったのでバッチリ良いネーミングですね。

ビジネスマンのために

手や服を汚さないで食べられるスイーツ

この強烈なキャッチフレーズで一世を風靡しました。

現在ではフィナンシェという名前ですが

元々はヴィジタンディン(Visitandines)とも呼ばれていて

これは修道女さんがヴィジタンディン(カトリック教会の女子修道会ですね)

そこでレシピが生まれたからだそうで

肉の代わりの栄養源としてアーモンドを食べていたとされてます。

ヴィジタンディン/フィナンシェ

主な材料はアーモンドで

レシピは全く同じではないようですがとても似ています

形の違いはありますけどね。

【マドレーヌとフィナンシェの違いは材料】

マドレーヌ フィナンシェ 違い フリアン (friand)
マドレーヌ フィナンシェ 違い フリアン (friand)

ちなみに日本の洋菓子店では

フリアン (friand)

という名前で販売されているフィナンシェも見かけます。

どちらもフランス語ですが

実はこれ

違うのは名前だけでフィナンシェと同じ物です。

フリアンには「美味しい物」という意味があります。

まあフランスのお菓子には

少し似ているけど名前がだいぶ変わるお菓子が結構あるので

そうなんだ

程度の解釈でOKだと思います。

マドレーヌとの違い

マドレーヌとフィナンシェの明確な違いは

「形」「材料」です。

先程お伝えしましたが

ホタテの貝殻をイメージした形はマドレーヌ

フィナンシェは金塊に見立てた長方形

材料ですがフィナンシェが卵白のみを使用するのに対して

マドレーヌは全卵を使用します。

更にマドレーヌには溶かしたバター(butter)を使い

フィナンシェには焦がしたバターを使う傾向にあります。

マドレーヌはふんわりと優しい口当たりになって

フィナンシェは香ばしくて軽い食感になります。

それとフィナンシェの方が味のバリエーションが多いですね

途中からハチミツを加えたものや

アーモンドパウダーをヘーゼルナッツやピスタチオに変えたものも出てきます。

そんなフィナンシェの意味は

【あなたに優しくしたい】

とのことですが、由来から考えますと

・あなたに金運が訪れますように

こちらの方が合っていて面白い気がしますけどね。

【マドレーヌとパウンドケーキの違いは?】

マドレーヌ フィナンシェ 違い パウンドケーキ 
マドレーヌ フィナンシェ 違い パウンドケーキ 

そういえばパウンドケーキとの違いですが

マドレーヌとパウンドケーキはほぼ材料が同じです。

しかし

マドレーヌとパウンドケーキは材料を混ぜる順番が違います。

こういうところが

お菓子作りの面白さというか奥深さですよね。

マドレーヌ
フィナンシェ
パウンドケーキ

どれも美味しいので困ってしまいます・・

【マドレーヌとフィナンシェの違いや由来】まとめ

マドレーヌ フィナンシェ 違い まとめ
マドレーヌ フィナンシェ 違い まとめ

【マドレーヌとフィナンシェ】

さあ

マドレーヌとフィナンシェの違い

いかがだったでしょうか?

やはり色々と歴史があったり

様々な説が出てきましたね。

身近にあるどんなお菓子にも物語が潜んでいます。

これからも

更に新しいお菓子が出てくることでしょう。

そんな時には一度立ち止まり

ゆっくりと

歴史や背景と共に

美味しい紅茶やコーヒーを味わいながら

幸せな時間を過ごせたら良いですね

ってパウンドケーキ食べながら思いました

パウンドケーキ専門店 ミパウンドトーキョー mipoundtokyo 東京
パウンドケーキ専門店 ミパウンドトーキョー mipoundtokyo 東京

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パウンドケーキ専門店『mipoundtokyo』
https://mipoundtokyo.com/

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