至福のエスプレッソ mipoundtokyo ミパウンドトーキョー パウンドケーキ専門店 エスプレッソ espresso パウンドケーキ 至福のエスプレッソパウンドケーキ カフェ

【至福のエスプレッソパウンドケーキが完成するまで】旅・マフィア・今はなき喫茶店


さて

ついに先日

mipoundtokyoが

新しい商品

【至福のエスプレッソ】

販売開始させていただきました。

すでに食べていただいたお客様には

『美味しい!』

とか

『外さないですね~』

とか言っていただき

少しホッとしております。

今回

もう隠すことはしたくない。

ということで

至福のエスプレッソが出来るまでの秘密

皆様に教えようと思います。

そう

まさにあの日は

絵に描いたような快晴だった・・

【至福のエスプレッソパウンドケーキが完成するまで】

mipoundtokyo 快晴
mipoundtokyo 快晴

高校を適当に出て

誰でも入れるような大学に入り

そしてなんとなくその大学を辞め

僕はフラフラしていた。

当然のように

親の仕送りも止まり

家賃の安いこの町に引っ越してきた。

とりあえず

バイトでも探そうかな

部屋の段ボールはそのままに

最寄りの駅に向かった。

歩いて15分くらい

駅が近づいてくるにつれ

日高屋

マクドナルド

富士そば

などが視界に入る。

栄えてはいないけども

特に廃れてもいない

人は多くも少なくもない

まあよくある駅周りだ。

時間はまだAM9:00前後

僕は一番人通りの多い駅前から

2つ入った路地に

小さなカフェ

というよりも

古い喫茶店といわれた方が

しっくりくるような

お店を見つけ

そこへ

入ってみることにした。

なぜか気になった。

ステンドガラスの窓と

外の看板のモーニングセットに惹かれたのだろう。

ドアを開けると

数本の銀色の棒が

その動きにより

ぶつかり合い

一度はどこかで聞いたことのあるような音が

店内に軽く響いた。

少しすると

店の奥の方から

可愛らしい黒髪の女性が声をかけてくれた。

お好きな席へどうぞ

言われたとおり

僕は奥の端っこのテーブルに腰掛ける

改めて店内を見渡すと

茶色で統一感のある

カッコイイお店だなと思った。

席に着いてから

まもなく

入り口のあの音が鳴り

すぐに

新しいお客さんが入ってきた。

そいつは僕と目が合うと同時に

駆け寄ってきて

「ここ、オレの特等席だけど?」

と言ってきた。

見たところ

中肉中背で歳は同じ位

ただ髪の毛の色がピンク色で

トゲが多すぎる革ジャンを着ていた。

僕が驚いてまごまごしていると

さっきの店員さんが近づいてきて

持っていたおぼんで

パン、と

そいつの頭をはたいた。

「って、なにすんだよカコ」

「いいから大人しくしていなさい」

「チッ」

すみませんね

とだけ言って

その女の子は店の奥に戻っていった。

するとなぜか髪の毛ピンクの男は

違う席には行かず

そのまま僕の席の向かいに座りだし

「今日だけだからな」

とトゲの革ジャンを脱ぎだして椅子にかけた。

するとすぐに女の子が戻ってきて

コーヒーを僕と目の前の男に差し出すと

学生さんですか

と話しかけられた。

ピンク髪を他の席に移してくれるのかと思うと

そこには触れなかった。

僕が大学を辞めたばかりだというと

じゃあ歳は同じ位かなって

話になり

このカワイイ子と僕

そしてピンクも同い年だと分かった。

話によると

このカワイイ子とピンクは

幼なじみで

ピンクの名前はミライ

見ようによっては

美男美女

そして同い年の僕。

あと5年も若ければ

甲子園でも目指して

野球をやっていそうな展開だ。

カコとミライ

僕はなんとなく出来すぎていることに

腹が立ち

ミライのことは

田中と呼ぶことに決めた。

そしてその日が

自分の人生を大きく変える事となるとは

まだ知るよしもなかった。

僕は人見知りな方でもないので

すぐに3人で打ち解けて話していると

外に大きな黒塗りの高級車が止まるのが窓から見えて

二人組の男が凄い勢いで店に入ってきた。

【至福のエスプレッソパウンドケーキが完成するまで】旅・マフィア・今はなき喫茶店

黒服
黒服

黒服で黒いハットに黒いサングラス

漫画のマフィアかよ

と心の中でツッコんでいると

その黒服の2人組は

店内で銃をぶっ放し始め

すぐに僕たちはテーブルに下に身を隠した。

愛の涙はどこだ

と黒服は叫んだ。

『愛の涙』

って何?

テーブルの下で

小声で聞くと

カコが

お母さんの形見のダイヤモンド

つぶやいた。

するとカウンターの一番端に座っていた仙人みたいな老人が

急にブーメランを懐から取り出して

黒服をめがけて投げつけた

黒服はそれをあっさりと避けると

戻ってきたブーメランが

おじいさんの手前で

天井に突き刺さり

小さな小箱が落ちてきた。

おおこれは

黒服が足下のそれを拾い上げると

老人は

テへへ

と笑った。

そのあと

チキショー

田中が黒服に襲いかかると

あっけなく脇腹を打たれ

倒れ込み

僕らは駆け寄った。

その時だった

騒がしいぞー

誰かが階段で降りてきた。

その男はボディビルダーのような体格で

板前の格好をしていた。

頭にはねじりハチマキ

身長は軽く2mを超えていた。

黒服はその威圧感に後ずさりながらも

銃口を板前に向けて発射した。

板前の心臓辺りに飛んだ球は

キン

という音と共に

跳ね返り

黒服のハットを打ち抜いた。

お父さん

カコが叫ぶと

その声を無視して

板前は冷蔵庫を両手で放り投げ

黒服の片方にぶつけた。

残った一人の手にまだ

愛の涙を持っていたのを見て

カコが

許さない

言った瞬間

カコの体が宙に浮き

身につけていた衣類が破れて

店中を

眩い光が突き刺した。

【至福のエスプレッソパウンドケーキが完成するまで】旅・マフィア・今はなき喫茶店

魔法陣 mipoundtokyo
魔法陣 mipoundtokyo

やっと目を開くと

そこには

白を基調とした可愛らしい服を身にまとった少女

ではなく

肌が全身緑色

というよりも

深緑の人間がいた。

手には何かを持っていて

魔法ステッキかなと一瞬思ったのだが

よく見るとモーニングスターだった。

ただ見慣れてくると

顔や体はカコそのままだったので

肩甲骨辺りから羽が生えているのを考慮しても

ギリいけるな

僕は思った。

すると

その黒服の男は手に持っていた小箱を

床に落としてしまったと同時に

手をクロスさせて

窓からガラスを突き破り飛び出した。

なんだ、だらしねー

と言った板前の肌も

いつのまにか深緑になっていた。

僕はとりあえず

田中に駆け寄り

大丈夫か

話しかけると

カスリ傷だ

と苦しそうに言った。

実は

カスリ傷だ

とか

言わないかな

言いそうだな

と思っていたので

ちょっと笑いそうになった。

深緑色のカコは

胸元を手で隠しながら

すぐに二階へと上がり

戻ってくるときには

服を着ていて

肌の色は

日本でいう肌色に戻っていた。

やっぱり魔界の奴は強いな

田中が苦しそうに言ったのを無視して

僕は救急車を呼んだ。

お父さん、早く緑しまって

カコが言うのを聞いて

しまう

という表現を使うのか

僕は思った。

その日の夜

僕はまだ慣れないアパートで

大の字に倒れ

天井を眺めながら

明日も店に行こう

と決めた。

そして目覚めると

夢だった

みたいなオチかと

確認も兼ねて店に向かうと

中はまだグチャグチャで

しばらく営業出来ないと

カコのお父さんに言われ

またアパートへと戻った。

そして

まだまだこの世には

知らないことや

信じられないようなことが

たくさんあるのではないのだろうか

確かめたい

この目で

僕は世界を旅すると決めた。

それから2週間後

旅立つ前に

店に寄った。

するとカコが

じゃあ戻ってくるときには

またこの

『至福のエスプレッソ』に絶対立ち寄ってね

笑顔でそう言った。

田中が横で

戻ってくる頃には結婚して子供もいるかもな

と軽口を叩くと

まんざらでもなさそうなカコが田中の肩辺りを殴った。

そして十数年後

僕は様々な人生を目にして

帰国して

パウンドケーキ専門店をオープンした。

すこしドキドキしながら

至福のエスプレッソへ顔を出そうと

店に向かったのだが

そこは空き地になっていた。

その後

風の噂で聞いたのだが

カコはモデルになり

田中を捨て

IT社長と結婚して

浮気されて

バツイチ子持ちになり

やさぐれて

姿を消したらしい。

魔界にでも帰ったのかな

僕は思った。

その時

田中がちょうどそこに現れて

久しぶり

と言った。

変わったな

と返すと

そりゃ変わるさ

と田中がスカしてタバコに火をつけた。

田中はスーツを着ていて

聞くとサラリーマンになり結婚して子供も2人いるらしい。

髪の毛は真っ黒になっていた。

ブーメラン

板前

至福のエスプレッソ

何もかもがもうそこにはなかった。

記憶を辿ると

何故か泣けてきてしまい

そこで田中が

愛の涙かよ

うまいことを言えた顔をしていたので

一気に冷めてしまった。

エスプレッソだけに

とは口に出さずに心の中で茶番に付き合った僕は

軽く自己嫌悪に陥った。

そんな昼下がり

僕はまた

あんな刺激的な日が訪れるようにと

願いを込めて

店の名前を勝手に使うことにした。

帰り道

土手沿いを歩いていると

汚れた水の色を見て

僕は過去を思い出した。

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パウンドケーキ購入ページ
https://mipoundstore.thebase.in/

パウンドケーキ専門店『mipoundtokyo』
https://mipoundtokyo.com/

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